前回の投稿で取り上げたポーランドとベラルーシの国境地帯に閉じ込められた難民の苦境については日本でも報道されるようになった。
https://www.bbc.com/japanese/59216297
https://news.yahoo.co.jp/articles/a800b098b795b8c7b81d95c292c4bf75d57e94ea
この二つの記事とビデオを見るだけでもとんでもないことが起こっていることは明らかである。別のGuardian紙の記事(“On the frozen frontiers of Europe with the migrants caught in a lethal game” 「厳寒のヨーロッパ国境地帯で、生死に係わるゲームに巻き込まれた移民たち」以下のURL)では、渦中の難民の証言として驚くべきことが書かれている。「『水がほしい、赤ちゃんにミルクがほしい』とお願いしてもポーランドの国境警備兵は拒みます。仕方なく雨水を、あるいは水たまりの水を飲むしかなかったのです。」
同記事ではまた、衰弱した難民について次のようなことが書かれている。
「病院に収容されれば治療を受けられるのだが、一旦持ち直すと、また病院をパトロールしている警備兵が国境地帯に連れてゆき、森の中に放り出す。」
難民をベラルーシとポーランドの国境地帯に誘い込んだのは、難民の証言からもベラルーシであるのは間違いないであろう。しかし、ポーランドの対応も余りといえばあまりである。
次回以降、この件の背景である、ベラルーシ対ポーランドを含むEUの対立、そしてEUがこれまで難民に対して行ってきた仕打ちについても、私の知りうる範囲で述べていきたいと思う。
最後に、ポーランドでは、難民に対してできうる限りの支援をしようと頑張っている方々もおられる、このことだけははっきりと書いておきたいと思う。また、推測になるが、ポーランドの国境警備兵にしてもやはり良心の呵責を感じている人もおられるのではないだろうか。